情報効率的な市場とは、証券のファンダメンタルズに関する情報が十分に価格に反映されるような市場を指す。Grossman and Stiglitz(1980)によると、このような市場では取引によって市場価格が大きく変動することが考えられ、「デプス」の観点から、市場の流動性が低くなる可能性がある。
その理由については、次のように説明される。ファンダメンタルズに関する情報を持つ投資家(情報トレーダー)は、自らの情報に基づいて取引を行い、利潤を獲得しようとする。一方で、そのような情報を持たない投資家(非情報トレーダー)は、情報トレーダーの取引による価格変化からファンダメンタルズを予測することで、利潤を獲得しようとする。Grossman and Stiglitz(1980)によれば、情報トレーダーの数が多く、市場価格にノイズが少ない情報効率的な市場ほど、情報トレーダーの取引が非情報トレーダーの取引を誘発し、取引が市場価格に与える影響は大きくなる。そのため、情報効率的な市場では、「デプス」の観点から、市場の流動性が低下する可能性が考えられる。
(参考文献) Kyle, A. S. (1985). Continuous auctions and insider trading. Econometrica: Journal of the Econometric Society, 1315-1335. Grossman, S. J., & Stiglitz, J. E. (1980). On the impossibility of informationally efficient markets. The American economic review, 70(3), 393-408.