アノマリー(Anomaly)とは、CAPMなどの既存のファイナンス理論では説明することができない現実の資産価格の動きのことを指す。具体的には小型株効果やバリュー効果、リターン・リバーサル効果などが観測されている。
さらに詳しく
【ポイント】
- 資本市場におけるアノマリーは、超過リターンが発生しているかを見ることによって計測される
- アノマリーは、財務指標に関するものや季節性のものなど、さまざまな現象が観測されている
- アカデミックな研究では、アノマリーの発生要因は、合理的に説明できるものと投資家の心理バイアスによるものの2つがあると考えられている
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- アノマリーの例
アノマリーは、下記表の通り、財務指標に関するものや季節性のものなど、さまざまな現象が観測されている。
【表】
- アノマリーがなぜ発生するのか
アノマリーの発生は、必ずしも市場が非効率であることを意味しない。アカデミックな研究では、アノマリーの発生は以下の2つの要因があるとしている。
第1に、リスクが適切に測定されていないことによってアルファが発生しているという説明である。
アルファは実現リターンとモデルの想定するリターンとの差であり、モデルが適切に選択されていないのであればアルファが発生する。このようにアルファの有無の検証は市場の効率性の検証であると同時に、均衡モデルの検証であり、これらは区別できない。このような問題は「結合仮説問題」と呼ばれている。
また、データスヌーピングの問題も存在する。すなわち、モデルが適切に選択されていたとしても分析するデータの期間によってたまたまアノマリーが観測されることもある。
このほかにも、モデルのパラメータの不確実性によってアルファが発生するという説明もある。リスクパラメータに関する不完全情報があれば、投資家が合理的であったとしても、アルファは発生する。
第2に投資家の心理的なバイアスが株価に影響をもたらすことによって生じるという説明である。
これは行動ファイナンスと呼ばれる分野で研究がなされている。投資家が自信過剰になって株式を過剰に買う行動や損切できない投資家の行動(プロスペクト理論)が株価を適切な価格から歪めてしまうことによってアノマリーが発生するという説明である。