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  • 公開日時 : 2026/02/16 00:51
  • 更新日時 : 2026/03/18 04:42
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ファクターモデル

ファクターモデル
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回答


ファクターモデル(Factor Model)とは、任意のリスク資産のリターンは、多くの資産に共通するいくつかの系統的な要因(ファクター)によって決まるというモデルである。

ファクターモデルによれば、リターンの変動は、ファクターの変動と資産特有の要因による変動に分解できる。ファクターとしては、マーケット全体のリターンや企業の時価総額に応じたリターンなど市場の情報を集約したもの、金利、GDP、物価、雇用率などのマクロ変数、産業属性に関わるものなどが考えられる。ファクターの数が1つの場合、シングルファクターモデルと呼ばれ、2つ以上の場合はマルチファクターモデルと呼ばれる。

【式1】

ファクターモデルの式1

ファクターローディングの値は企業によって異なる。各ファクターの影響はファクターローディングの大きさで決まる。


さらに詳しく


【ポイント】

  • ファクターを市場全体の変動だけと考えるとき、CAPMを表す
  • Rossは1976年にファクターモデルをベースに資産のリターンのクロスセクションの変動を説明する裁定価格理論を発表した
  • 何が資産に共通するファクターであるかは理論的には決まっていないため、ファクターの決定には裁量の余地がある



  • シングルファクターモデルとCAPM

    CAPMは、ファクターがマーケット超過リターンであるときのシングルファクターモデルであると解釈することもできる。ファクターをマーケットの超過リターンとするときのシングルファクターモデルは、式2となる。

    【式2】
    ファクターモデルの式2

    この両辺の期待値をとると、式3となる。

    【式3】

    ファクターモデルの式3

    市場リスク以外にも様々なファクターが考えられており、複数のファクターを考えるモデルはマルチファクターモデルと呼ばれる。実証研究では簿価時価比率や企業規模のファクターを考えたFama-French 3ファクターモデルなどが有名である。

  • ファクターモデルとAPT

    裁定価格理論は、資産のリターンがファクターモデルに従う下で、資産のリスク・プレミアムを決定する理論である。N個のファクターによって資産のリターンが決まるとき、十分に分散化されたポートフォリオのリスク・プレミアムは、ファクターのリスク・プレミアムとその感応度によって決定される。

    【式4】
    ファクターモデルの式4

    ただし、λkはファクターkのリスク・プレミアム(Market Price of Risks)であり、βikは当該資産iのリターンのファクターkに対する感応度(Quantity of Risks)である。

    裁定価格理論はCAPMよりも多くのリスクファクターを考えることができる。また、CAPMには、Rollの批判のように真のマーケットポートフォリオを特定する必要があるという問題が存在していたが、裁定価格理論ではマーケットポートフォリオを特定する必要はなく、リターンの正規性も仮定する必要がない。

  • ファクターモデルと裁定価格理論の問題

    裁定価格理論の仮定は①リターンがファクターモデルに従っていること②安全資産が存在すること③十分な分散が可能であること④裁定機会が存在しないことである。このように裁定価格理論の仮定はCAPMに比べて少なく、また市場リターン以外の要因もリターンに影響を与える可能性を考慮できる。しかし、リターンに影響を与えるファクターが何であるかということは述べられていない。




(参考文献)
Ross, Stephen A. "The arbitrage theory of capital asset pricing." Journal of Economic Theory 13.3 (1976): 341-360.

 

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